【アメリカ編】フィラデルフィアのピザ屋「ROSA’S FRESH PIZZA」で恩送り体験させてもらった話

ニューヨークを襲った寒波の影響でフライトが次々とキャンセルになりフィラデルフィアにやって来ました。

(本当はイエローナイフでオーロラ鑑賞するはずだったので悲しい…)

 

しかし、

「これも何かの縁だ!」と思うようにするのが旅を楽しむコツです。

ちょうど暖かい服も無いし、イエローナイフ行ったら気温マイナス30度とか絶対風邪引くし、アメリカで予想以上にお金も使い過ぎていたのでむしろラッキー!なはず!笑

 

フィラデルフィアは、アメリカが独立宣言をした 歴史ある地。

「自由の鐘」「LOVEマーク」が有名です。

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その他、Googleで行くところを探していると、ちょっと面白いレストランを発見しました。

 

 

ROSA’S FRESH PIZZA

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アメリカでは そこら中にピザ屋がありますが、ここはちょっと特別。

でも、ピザの味が特別なわけではありません。

 

ここは、ホームレスの人々に無償でピザを食べさせてあげられるお店なんだとか。

しかも、そのピザ代は お客さんがドネーションとして寄付して成り立っていると。

 

なんか良いストーリー!面白そう!!

なかなかこんなスタイルのお店はないですし、気になったので行ってみることにしました。

 

アメリカに来てびっくりしたことのひとつですが、想像していた以上に格差が物凄いです。

道を歩けば1ブロック毎に物乞いがいて、公園の前を歩けばたくさんのホームレスの人たちが。

最先端のテクノロジーなど、世界の中で 間違いなく豊かな国であることを感じる一方で、社会に取り残された人々の存在を まざまざと突きつけられます。

僕が行った4月は、まだとても寒くて雪も降ります。それでも「どうしようもない」という雰囲気で、豊かそうな人たちは ホームレスの人々を透明人間を見るように接しているなぁと思っていました。

 

そんな中で、偶然見つけたピザ屋さん「ROSA’S FRESH PIZZA」はすごく気になりました。

 

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実際に行ってみて。

お店は観光・商業エリアの中心にあります。

中に入ると、無数の色とりどりのポストイットに圧倒されます。

 

Googleレビュー情報によると、この1枚1枚が「ホームレスの人々がピザを食べるチケット」になっているそうです。

ポストイットには、ピザを贈るチップをお店に入れた人のコメントが書かれています。

インスタ映えするような おしゃれなものではないですが、壁一面、コメント付きのポストイットに埋め尽くされている店内はどこか温かい。

中には、ホームレスの人々からの「お礼コメント」のポストイットもあります。

 

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仕組みとしては、

入店 → ピザを選ぶ → 会計時に寄付もするか選択 → ポストイットにメッセージを書いて壁に貼る

という流れです。

 

ピザのお味は、はっきり言って美味しくないです!!笑

だけど、めちゃくちゃ安いので不満はありません。お値段なんと、一切れあたり US$1.25 !! 

とっても安かったので、僕とカオリと2人分寄付しました。笑

 

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お昼時ではなかったので 店内にお客さんは多くなかったですが、ポツポツやって来てはピザを買って行きます。

お持ち帰りの人が多かった印象。見ていると、約半数くらいの人がドネーションをしているようでした。

 

そして、僕らが食事をしている間、(おそらく)ひとりのホームレスの男性が来店し 一切れのピザを食べて去って行きました。

彼がどのような気持ちで食べていたかは分かりませんが、言い方が悪いですが 外では透明人間のように扱われている彼らも、温かいメッセージに囲まれて食事ができるひとときは 心安らぐ瞬間ではないでしょうか。

お店のホームページによると、ピザを食べにやってくるホームレスは40~50人。

ドネーションでピザ代を払ったお客さん達が、彼らのことを思っているのは伝わると思います。 

 

寄付について

寄付について考える良い機会になったのですが、思い返してみると、小学校の赤い羽根募金やドラえもん募金に始まり ちょくちょく募金はしてきた気がします。

だけど正直なところ、気持ちよく募金しているというよりも 周りもしているし何かしないといけない気がしてやっていたと思います。

 

それはなぜかというと、お金の使い道もわからないし、相手の顔も見えない、相手の役に立っている実感がなかったからです。

 

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会社とかで回ってくるような募金は、目には見えない謎の強制力もあるので、集まる金額の大きさや 社会に与えているインパクトを考えると 必要だと思います。

だけど、1日数十人のホームレスの人々の空腹を和らげるだけでも、自分で実感できる優しさは 心地よいものでした。

実際は自己満足なだけかもしれません。それでも、このような恩送りの仕組みって 増えたら社会が少しだけ豊かになるな、優しくなるなって感じたんです。

 

仕組みとしても、ポストイットでコミュニケーションをするというところが、「寄付はしたくても 直接ホームレスの人々と話すのは不安or面倒」という人間の心理を捉えていていいなと思ったり、ピザ1枚あたりの原価を 50~80セントくらいと仮定すると、来店者の3分の1程度が1ドル寄付すれば成り立つなと思ったり…笑

 

 

最後に

フィラデルフィアのピザ屋「ROSA’S FRESH PIZZA」で恩送り体験させてもらい、いろいろと考えるきっかけになりました。

ピザの味は特に美味しくないですが、良い時間になると思うので、フィラデルフィアに行くことがあれば 立ち寄ってみる価値アリだと思います。

 

「恩送り」「ペイフォワード」って、本を読んだりしていると ちょくちょく出てくるワードですが、実践できる場は自ら動かないと なかなか限られています。

このような場所で恩送り体験させてもらえて、すごく良かったです。

 

 

僕は、ポストイットには『BIG SMILE with Pizza !!』と書きました。

寒い日が続いていますが笑顔で少し温まるといいな!!!!